ヒグマフォーラム 2016-02-02
工事部の川村です。
唐突ですが、「ヒグマのこと知ってますか?」
昨日、札幌市が主催するヒグマフォーラムなる「市民ヒグマ講座」に出席してきました。
その際、資料が配られたました。上の写真のクリアファイルに入れて。
知床のヒグマ事情や、札幌における市街地への侵入などに関して、
その分野における専門家を招いての討論会なども開かれ、興味深い内容でした。
中でも、印象に残ったのが、ヒグマにおけるDNA鑑定の話。
平成23年に札幌では過去最高のヒグマ目撃情報が寄せられ、
その後、幸いにも、目撃情報が減少しているものの、いつまた増えるかもわからない状況である。
そんな中、札幌で1頭のメス熊が駆除され、そのDNAを鑑定したところ、
目撃情報のあった地域で採取した体毛などのDNAと一致し、
その後、その地域での目撃が無くなったことなどから、
目撃されていたのは、このメスの個体であったことが、データから確実になったと。
DNA鑑定は、人間だけでなく、こうした分野でも活用されているのだということに驚き、
また、何の分野においても、真剣に研究、調査している人がいることに、
改めてすごいことだと感心した次第です。
この他にも、知床の国立公園内で、ヒグマに近づきすぎる人間の行動に対する警鐘や、
発見=駆除ではなく、まずは人への危害から守ることを優先させつつも、
ヒグマに対して、市街地に寄せ付けず自然に返すことを試みて、
どうしても駄目な場合には駆除するといった、ヒグマとの共存を考えた活動の紹介など、
知っているようで、知らないヒグマのことを、真剣に考えるフォーラムでした。
1月末から2月中頃までは、ちょうど母熊が冬眠穴で出産し、
ペットボトル程度の子熊に授乳する時期だそうです。
春先、こうした子熊を連れた母熊が、人間に危害を加えることが増える時期でもあります。
人間とヒグマの共存は、簡単ではありませんが、
山にゴミを捨てない、などの基本的なモラルがこうした事故を一件でも減らすことにつながることを、
今一度、考えるべきかとつくづく思いました。
掲載日:2016年02月02日