善か?悪か? 2016-07-13
水曜日担当 工事部 川村です。
先週に引き続き、動物に関してです。
先日読んだ雑誌で、オーストラリアのコアラの生態数が減少している。と…
理由は様々あるが、一番大きな理由は、ユーカリの葉を食べられる森が、
人間の開発により減少したことで、住処が奪われていることにつながると。
さらにその記事の中では、交通事故、犬に襲われるなどで、命を落とすコアラがピックアップされ、
傷ついたコアラを保護して手当てをする専門家などへのインタビューも記載されていた。
餌となるユーカリの葉を求めて道路を渡るコアラ。
コアラのいるエリアでは、制限速度を低く設定するなどの努力をしても、
交通事故にあうコアラは後を絶たず、
また、行政自体が、コアラの減少を認めようとせずに対策を打たないなど、
専門家が訴えるレッドシグナルは、遠く離れた私たちだけではなく、地元の人にも伝わっていないようで…
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しかし、その一方で、昨年一時話題になりましたが、コアラの殺処分の話。
保護区のような国立公園内のコアラが増えすぎて、生態系を崩すとの理由で、
健康状態の良くないコアラなどを安楽死させているという。
過剰に増えた個体が餓死を招くとして、数十頭~数百頭のコアラを処分したらしい。
実は、カンガルーも、同じように殺処分が行われていると。
善か?悪か?
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前述の雑誌によると、コアラは愛らしい顔とは逆に、縄張り意識が高く、時には獰猛な一面もあると。
殺処分を行う、とある政府の生態系を崩す、餓死を招くという言い分は、
こうした縄張り意識と、生息エリアの広さといったバランスが崩れることを意味しているのであろう。
しかし、その原因のもとを正すと、人間の開発で生息地を狭めたがゆえに、
過密状態を引き起こしたことにつながったのではないかとも考えられる。
私たちの北海道でも、ヒグマやエゾシカといった動物の生態系に、
変化を及ぼしていて、特にエゾシカは最近、交通事故、生態数の増加など、
同じような問題を抱えていると思うと、他人ごとではない。
彼ら動物に安らぎの日を戻してあげる努力は、人間の課題の一つと思う。
掲載日:2016年07月13日